この町はベネチアの如く 執政官により治められる。
堺と称するこの町は甚だ大きく且富み、守り堅固にして諸国に戦乱あるも、この地に来れば相敵する者も友人の如く談話往来し、この地に於いて戦うを得ず。
この故に堺は、いまだ破壊せらるることなく、黄金の中に日日を過ごせりポルトガル宣教師 ガスパル・ビレラの書簡より
懐かしい、懐かしい、1979年に放送された、黄金の日日。
子どものころにワクワクドキドキ、ひー!!!(´;ω;`)ウゥゥてな感じで視聴していた
黄金の日日。←このあたりの経緯は 恐怖の黄金の日日 | わたしと大河ドラマの歴史① ←こちら
大人になった今なら、きっと違う感想を持てるはず。
そして新しい発見があるはず。
ドラマ大好きを名乗っているからには、この名作を観ていないというのはいかがなものか?
自問自答を繰り返し、意を決して初めから丁寧に視聴することにいたしました。
はてさて、最後までえむこは観ることができるのか!?
大河ドラマ 黄金の日日、第1話あらすじ・感想いってみましょーーー!(一部ネタバレしますので、ご注意ください)
タイトルバックでの感動と驚愕
おおう!懐かしい!!!
これこれこれーーーー!ヽ(*´∀`)ノ キャッホーイ!!
NHK放送史さんからお借りしました
画面いっぱいの「黄金の日日!」
このインパクトとみなぎる自信:*:・( ̄∀ ̄)・:*:ドヤサ
楽しみになるじゃああーりませんか!
あれ、、、あれれれ、、、?
なんかこの大河の主要出演者、ほとんど亡くなってない???
気になってっ調べてみたら、14人の登場人物(一人で一つのクレジットになっている人)のうち
ご存命4人
鬼籍に入られている方10人
生存率28.5%というえぐい確率でございました( ゚∀゚; )タラー
正座して観なきゃいかん感じになってきたぞ、おい・・・
「2万貫寄こせ」とカツアゲをする理不尽・信長
今日のお話はどんなお話かとざっくり言いますと、(ネタバレ感想なんで、ご容赦ください)
堺という町がこの大河ドラマの第一の舞台でございます。
3万人が暮らすこの町は、海外との交易で巨万の富を得まして、その富があるがゆえに「自由都市」と呼ばれ、
周囲の戦国武将たちからの武力介入を拒んで中立の立場を守っていたわけです。
ところがどっこい、そこにかの有名な(今の時代からすると←ココ重要)織田信長が、
足利義明を将軍に据えて、幕府の立て直しもろもろにお金かかるから
2万貫寄こせー!と堺にカツアゲ仕掛けてきたわけです。
はー?なんでうちらがそんな金を出さなきゃいけないんどすか!
うちらはそんな圧力には屈しません!!!と、当然のことながら堺は断固拒否!!!
あ、そう、2万貫寄こさないなら、町ぶっつぶしてやるけど?
と織田信長軍に三方包囲されちゃっているところから始まります。
さあ、堺はどうする???
そしてどんな登場人物がいて、どう関わっていくの?
てのが今日のおおざっぱなあらすじになります。
いや、織田信長って理不尽。ほんと、理不尽。
だけれども、ここで間違ったら、やばいよ~って思っているのは、その後の歴史を知っていればこそ。なんですよね~
下衆い浪人達と、勝気な美女と、それを助ける主人公←身分違い(定番)
どこから見ても下衆い連中が船を盗もうをしています。
「船を降りていただきます!どちらのご浪人ですか?!」と登場したのが
堺の豪商、今井宗久の娘。前髪クルンのお姫様カットの、美緒ちゃん。(栗原小巻)←超かわいい
(これが舞台だったら「待ってました!」と拍手が起こるとこ。)
そして下衆い浪人たちが、定番の下衆さを発揮し、美緒ちゃんピンチーーー!
ってところに現れたのが、助佐!(当時は市川染五郎、、、いや市川染五郎って名乗る人って代々本当に美形…)
下衆いやつらに素手で立ち向かいますが、多勢に無勢ってことで、今度は助佐ピーンチ!
美緒ちゃん、「兄様!兄様!」と必死にお兄ちゃん(今井兼久)の所に助けを呼びに行きますが、
このお兄ちゃんがいまだ反抗期が抜けきれず、「良いとこのボンボン」丸出しで、キャバクラ状態に遊びまくって
美緒ちゃんが「うちの船が盗まれそう!」と声を張り上げても、全然聞こえず、、、(;´Д`A
勝気な美緒ちゃんは、鉄砲を手にして、必死の形相でさっきの現場に立ち返ります。
すると、どうでしょう( ´艸`)
助佐が下衆い奴らをすべて一人で倒したようで、救命救助を行っています。
逃げたんじゃないんです、鉄砲にはいささか心得があるので、と恥ずかしそうに言う美緒ちゃんに
「弾入ってないじゃん」かきすぎじゃない?ってくらいの汗とともに、爽やかに言う、助佐。
はい、恋の予感ですね( ̄ー ̄)ニヤリ
このパート、すべてが安心安全な、ベタな定番のオンパレードでした。
良いとこのボンボンと鉄砲大好き善住坊
良いとこのボンボン、今井兼久(林隆三)は、杉谷善住坊(川谷拓三)を連れて、
「この自慢の大鉄砲で、尾張の田舎武士の度肝を抜いてやる~」と上機嫌です。
いや、それ勝手にやったらいかーん!下知なく戦っちゃいかーん!と言われたらお兄ちゃん。
「傭兵の分際で今井の大将に指図するつもりか!」と反撃するも
今井氏の大将はあんたじゃなくて、父ちゃんでしょ?と言われちゃって、
良いとこのボンボン、しょぼーん(´・ω・`)
そうであった。大将は親父殿であった。あの大将なら息子の首も跳ねるだろう
松明バーン!ちっくしょー!←こちらも定番の親子確執パターンです、はい
会合衆会議
堺には、大名とか城主っていうものがいないので、町の有力者の組織(会合衆)が司法行政、その他の運営をつかさどっていたんですね。(イメージ的には今でいう町内会的な・・・?←余計にわかりにくくなったかも)
美緒ちゃんと良いとこのボンボン兼久のお父さん、今井宗久(丹波哲郎)もその一人。
かの有名な千利休(鶴田浩二)や天王寺屋(津川雅彦)、能登谷(志村喬)、日比屋(渥美国泰)などで
今回の織田信長軍の包囲について、会合衆の会議が行われます。
天王寺屋さんや他の人たちは、「織田信長なんてどーせ田舎武士なんだからほっときゃいい」「信長なんて言う成り上がり者の言いなりになっちゃいかん」てな意見なのですが、
今井宗久は、実は9年前に信長に鉄砲を買ってもらったことがあって、
南蛮船を見たこともない、大砲も知らない26歳の信長に
「この30倍50倍にした大鉄砲は作れないか?できれば船の上から打てるものを作ってくれ」と言われたことを持ち出し
信長には先見の明がある。それに勢いが加わっている。
いかなる力もこれを押し返すことはできない。
と必死に主張します。(←がんばれ!丹波パパ!その通りだ!!! by現代人えむこ)
しかし、検討むなしく
今井殿は信長の頭の中に住んでいる大砲を載せた軍船を恐れているのか(*`▽´*)ウヒョヒョ
堺は負けぬ!
近江源氏の末裔にしては弱腰ですなぁ
と一蹴されてしまうんです…結果、町内会で棄却!残念!!!
それにしてもこの会合衆メンバー、すべて故人となっておられます。悲しい。
日本にはいい役者さんが揃っていたんだなぁ、と再確認。
葉茶壷が堺を救う?
ところ変わって、「織田信長を侮ってはいけない」メンバーで再度話し合い。
今井宗久(丹波パパ)と、千利休(鶴田浩二)と、小西隆佐←宇野重吉きたーーー!
余談ですが、このあと、寺尾聰がルビーの指環で大ヒット飛ばしたとき、
宇野重吉の息子なんだよ、そっくり!って思っていたけど、
今、見たら、このころの宇野重吉に、今の寺尾聡がどんどん寄っていて、本当にそっくりすぎて笑いました。
織田信長のような男は己の敵に対しては容赦がない、
堺が敵対すれば包囲軍は一丸となって堺を攻め立てましょうぞ
矢銭2万貫を拒んだら戦は免れん、そうなれば天竺にでも逃げ出しますかε- (´ー`*)フッ
なんて小西隆佐が飄々と言うもんだから、丹波パパ、「目下の難を逃れる手立てはないものか教えてーーー」となります。
そこで小西は
松永弾正久秀が、付喪神の茶入れを信長に献上して助かったというエピソードを話します。
すると、千利休が、松島の葉茶壷(多分、すっごく大事なもの)を差し出し
「この葉茶壷で堺を救えぬかの?
信長が噂通りの好きものだったらこの葉茶壷、2万貫と取り換えても惜しくはないと思ってくれるかもしれん」
安いものではないか
葉茶壷一つで町一つ戦火にさらさないで済めば
この葉茶壷にはわしの命も詰めておる
共に届けていただこう
さすがです、千利休!
歴史を知っているものからすれば、この後が悲しいっす。。。
白羽の矢が刺さった三人組
てなことで、今井宗久は、松島の葉茶壷を信長に届けるという危険な役目を遂行するメンバーを選出しなければなりません。
美緒ちゃんに「身寄りのないものを選んでくれ」と言いつけます。
今井家は手広く事業を行っていて、
海外との交易業、鉄砲製造業、薬種業、廻船業、倉庫業などなど、
500人の社員のいる総合商社のようなものです。
ここから人事部長の美緒さん自ら、社員、アルバイトに至るまで履歴書を調べて候補者を集めます。
「命がけの仕事だから親兄弟のいないお前たちを選んだ。
命を惜しむものはこの場から立ち去れ!その代わりうまくいったら、銭5貫を渡す」と丹波パパが言うと、
残ったのは助佐、五右衛門、善住坊の三人。
助佐「わしは銭はいりません。その代わり勤め口を交易業に回していただきたい。私は父のようになりたいのです」
その言葉に丹波パパ「我が家の息子殿とは何たる違いか」
・・・いやいや、ここまで何度も良いとこのボンボンの話をされると、今後の展開として
助佐VS良いとこのボンボン(兼久)の図式が出来上がるんでないの?と想像ついちゃいますよね。
「甚九郎が生きていたら喜んだだろうあれは立派なキャプテンだった。父のいけなかったところへお前の船で行ってやれ!!!」
これから信長に会いに行く!
向かうは摂津西成郡の芥川城!!!
ピカレスクの香り 緒形拳の豊臣秀吉との出会い
最後にちょっとだけ助佐と秀吉の出会いエピソードがありました。
子どもの助佐に、若き日の秀吉が、「お前の主はすごいなあ」と言い、
助佐が「台所番の役人は落ち目がなるって聞いた」「何を~」なんて微笑ましい掛け合いがあり、
最後には秀吉が助佐に永楽銭を渡して「よい商人(あきんど)になれよ」というエピソード。
そしてそれから時がたち、摂津西成郡の芥川城に向けて、織田包囲軍の中スタンバイしている助佐が
「あの時のひょうきんなお侍はあの中にいるのだろうか・・・」とつぶやくわけなんですが!!!
・・・匂います。完全に匂います。
秀吉がこの物語をピカレスクっぽく導いていく予感・・・
なんかもうプンプンと、この二人最終的にはなんか敵対しちゃうんじゃないの?的な匂いがむせかえり
期待と興奮でワクワクです!!!
そして次週へ
時は戦国末期
信長、秀吉、家康へと移り変わる天下騒乱の時代を相手どり
自由都市堺と南海のルソン島をまたにかけて一大の豪商になりあがるその男も、今はまだ一回の納屋番に過ぎない永禄11年1568年
同じ年にヨーロッパでは自由都市ネーデルランドが、フェリペ2世の圧政に対して武器を持って立ち上がった
この自由都市の蜂起はやがてオランダという新しい国を生んだ
この時堺で、まるで世界の歴史と呼応するように信長という天下の覇者に反旗を翻している
時あたかも中世の断末魔と近世の産声が同時に天地を揺るがした16世紀末の怒涛の幕開けであった
かっこいい・・・むっちゃかっこいいナレーションが流れる中、
今井宗久、助佐、五右衛門、善住坊が濠をもぐって脱出します!次週に続く・・・
まとめ
初回だったので、堺と織田信長の関係性や、登場人物の紹介で早足で進んだ印象の回でしたね。
「ベタだな~」という展開がものすごく多かったけれど、それを超える「どうなるんだ?これから?」という期待感につながっていました。
私は端役が活躍するドラマが大好物なので、登場人物の悲哀みたいなものを丁寧に描いてくれるといいな、と期待しています。
えむこ的、今回のMVPは、宇野重吉さんでした。飄々とすごいことを言う( ´艸`)
次回が楽しみです~
NHKBSでも2021年4月から再放送されているようですが、私はNHKオンデマンドで視聴しています。
いや、ドラマ好きにはたまらない時代ですよね。(寝不足注意)